伊藤園の「株価」は「気温」と関係ある？-相関係数編

はじめに

まず、気温と企業の業績の関係が深そうな企業として、私は飲料業界に着目しました。

理由としては単純で、暑くなれば暑くなるほど、飲み物が売れやすくなるといった関係があるのでは？と思ったからです。

株価はそんな単純なものではないので、少し関連しているという結果が出たら嬉しいなぁといったモチベーションです！

今回は、飲料メーカーの１つである伊藤園(2593)を対象とします。

データ・手法

使用データ

今回、比較対象として使用する伊藤園の株価データは、Stooqから取得した１日ごとの終値を使用しました。

また、気温のデータは気象庁の東京における日平均気温、日最高気温、日最低気温を使いました。

期間はいずれも2013年１月１日から2020年12月31日の８年間です。

データの種類	取得元	内容
株価	Stooq	終値
気温	気象庁	日最高気温 日平均気温 日最低気温

手法

８年間の株価と各気温の相関係数を計算しました。

相関係数とは、２つの要素がどれくらい関連しているかを調べる手法です。

相関係数について簡単に説明すると、相関係数は-1から1までの値を取り、１に近づくほど正の相関があり（気温が上がるほど株価が上がる）、-1に近づくほど負の相関がある（気温が上がるほど株価が下がる）ということを示す係数です。

相関係数が０は、２つの要素には何の関係もありません。

相関係数の符号	意味
正	気温が上がるほど株価が上がる
負	気温が上がるほど株価が下がる
０	気温と株価に関係がない

また、相関係数から寄与率を調べることができ、それは相関係数の２乗で計算できます。

相関係数が-1なら、100%比較対象が関連する、相関係数が0.2なら、4%関連するという感じです。

それでは結果に移ります。

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結果

伊藤園の株価と気温の経年変化

まず、2013年から2020年の間、気温と株価がどのような変化をしていたかを確認します。

グラフは緑色が株価、赤色が最高気温、黄色が平均気温、青色が最低気温の変化です。

伊藤園の株価は長い目で見ると右肩上がり、気温は当然ですが夏場が高くて冬場が低い値をとっています。

対象期間全体での相関係数

まずは、2013年から2020年の８年間全体での相関係数を計算しました。

結果を下の表にまとめます。

以降、小数第４位を四捨五入した値を示します。

株価との比較対象	相関係数の値
最高気温	0.059
平均気温	0.044
最低気温	0.039

ほぼ０じゃん。。。

関係がないということですね。

しかし、諦めません。季節ごとで分けてみましょう！

季節ごとで分けた場合

今度は、季節ごとに分けて、相関係数を計算して行きます。

今回は、

• 春：３月〜５月
• 夏：６月〜８月
• 秋：９月〜11月
• 冬：12月〜２月

と定義します。

それでは結果を見てみましょう！今度こそ良い結果来い！

季節	最高気温の相関係数	平均気温の相関係数	最低気温の相関係数
春	0.013	-0.020	-0.038
夏	-0.004	-0.064	-0.098
秋	-0.044	-0.076	-0.082
冬	0.149	0.152	0.132

１番良い結果で冬の平均気温で相関係数0.15(２％)ですね。

相関係数0.3くらい行けば嬉しかったのですが、厳しい結果ですね。

でもまだ諦めませんよ！まだ打つ手はあるんです！考察に移ります。

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考察

今回は、関連していてもほんのちょっとという結果でした。

このような議論は、世間的に相関係数が0.5(25%)を最低でも超えて欲しいところなので、正直なところ全然ダメです。

今回このような結果になった原因として、伊藤園の株価がかなり好調だったことが挙げられます。

そのため、上昇トレンドが相関係数の低下に繋がったのだと考えています。

今後の目標として、株価の好調不調のトレンドを抜いて、気温がどのように関係するかを調べてみたいと思います！

（これをすることに意味があるかという問題はありますが）。

まとめ

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